2018年3月22日

Harish-Chandra Research Institute で開催された school での講義ノート

インドの Allahabad にある Harish-Chandra Research Institute で2月に開催された School on String Field Theory and String Phenomenology での私の講義ノートがこちらで公開されています。興味のある方はご覧下さい。

また、Discussion Meeting on String Field Theory and String Phenomenology での私の talk のスライドもこちらで公開されています。興味のある方は合わせてご覧下さい。

2018年3月22日

台湾の国立交通大学での滞在

いつもホームページのニュースの更新が遅くなってしまっている上に、昨年の11月は別の事情もあって更新していなかったのですが、実は2016年12月に引き続き台湾の新竹にある国立交通大学に滞在していました。2015年11月には新竹にある国立精華大学と台北にある国立台湾大学に滞在したので、台湾に行くのは3年連続ということですっかり慣れ、国内出張のような感覚でした。

今回は11月15日と16日の2日間に4回の講義をしました。最初の講義は少し一般向けにして、"The basics of open bosonic string field theory" というタイトルで板書で講義をしましたが、最後の部分だけはスライドを使って tachyon condensation への応用について説明しました。2回目以降の講義は "Construction of superstring field theory" というタイトルで、2017年9月の中部夏の学校のときの対応する部分の講義ノートとほぼ同じ内容を説明しました。2018年2月の Harish-Chandra Research Institute での School on String Field Theory and String Phenomenology での講義もほぼ同じ内容です。

2016年12月の滞在のときと同様に今回の滞在でも Jen-Chi Lee がもてなして下さり、連れて行って頂いたレストランでの料理はどれもとてもおいしかったです。

2018年2月27日

インドでの滞在を振り返って

2月18日にインドから帰国しました。インドへ行くのは初めてだったので健康面などで不安があったのですが、結果的にはインドにいたときは日本にいるときよりもむしろ胃腸の調子が良かったように思います。

インドでは人前ではお酒を飲まないそうで、部屋で飲むことはできたのですが、私はインドに滞在している間はお酒は飲みませんでした。それから私はコーヒーが好きなのですが、私が滞在したのはインドの北部で、インド人の方々に合わせてコーヒーは飲まずに甘いミルクティーを飲んでいました。

食事は朝食も昼食も夕食もすべてインド料理で、すぐに飽きるかと思ったのですが、いろいろとバリエーションがあり、約2週間の滞在でしたが最後まで飽きることなくおいしく食べていました。インド人のみなさんのまねをして、chapati というパンを片手だけを使ってちぎって食べることにも慣れました。食事は vegetarian が主流で、私もほとんど vegetarian の料理にしていました。肉料理を食べるとしても牛肉や豚肉の料理はなく、ときどき山羊の肉の料理がありました。Delhi に移動したあとの宿舎での食事よりも Harish-Chandra Research Institute の guest house での食事の方がおいしかったです。

Harish-Chandra Research Institute では朝食や昼食や夕食や tea break のときにたくさんの方々と話をすることができ、特に私が最も尊敬する物理学者のひとりである Ashoke Sen とたくさん議論することができてとても有益でした。

今、海外出張をするのは良いことなのではないかと出張前に妻が話していましたが、飛行機の機内でいろいろなことを考えているとき、インドの景色を窓から眺めているとき、このままで良いのかと迷いが生じるようなことがあっても、反省するべきことがあるならば反省しつつ、しかし、信じていることはしっかりと信じて研究を進めて行くべきだという思いを強く胸に抱きました。

2018年2月25日

University of Delhi でのセミナー

2月15日に Allahabad から Delhi に移動しましたが、私が東京大学の駒場キャンパスで大学院生をしていたときに postdoc として駒場に来ていた Supriya Kar が University of Delhi にいるという縁で、2月16日に University of Delhi で "Complete action for open superstring field theory" というタイトルでセミナーをしました。

University of Delhi では弦理論に関連する研究者は多くなく、通常はセミナーの参加者は多くはないということだったのですが、当日は大学院生がたくさん聴きにきて会場がいっぱいになり驚きました。ちょうど大学院生が参加しやすい時間帯だったのかもしれません。University of Delhi は規模の大きい大学で、弦理論に興味を持っている大学院生は大勢いるようです。セミナーの前半は弦理論の予備知識を前提としない内容にしていたので良かったです。

セミナーのあとは Supriya の自宅で食事をごちそうになりました。Supriya が約20年前に日本で暮らしていたときには苦労したのではないかと思っていたのですが、とても楽しそうに日本の思い出話をしていました。その後、Supriya の大学院生2人が私の観光に付き合ってくれて、私ひとりではとてもできないような体験をすることができました。

2018年2月25日

竹嵜君と助野君の発表

インドの Allahabad にある Harish-Chandra Research Institute で2月11日から15日まで開催された Discussion Meeting on String Field Theory and String Phenomenology には私が指導教員を担当している博士課程2年の竹嵜君と博士課程1年の助野君も参加し、竹嵜君は "Open superstring field theory including the Ramond sector based on the supermoduli space" というタイトルで竹嵜君が現在執筆中の単著論文の内容に関する talk をし、助野君は "Fermion scattering amplitudes from gauge-invariant actions for open superstring field theory" というタイトルで国友さん、竹嵜君、私との共著論文の内容に関する talk をしました。

竹嵜君と助野君が日本から Allahabad に移動する途中ではインドならではというようなエピソードもあったようですが、ふたりともきちんと準備をして国際研究会の舞台で良い発表をしていました。

2018年2月24日

Discussion Meeting on String Field Theory and String Phenomenology

インドの Allahabad にある Harish-Chandra Research Institute で2月11日から15日まで開催された Discussion Meeting on String Field Theory and String Phenomenology では "Closed string field theory without the level-matching condition" というタイトルで修士課程2年の大学院生である坂口君と執筆中の論文の内容に関する talk をしました。

坂口君はこの論文の内容で修士学位論文を書きましたが、一般受けする内容ではないものの坂口君は修士学位論文の審査会などの機会に工夫して発表していました。今回の私の talk は専門家向けでしたが、talk をする前から多くの方々が興味を持って下さり、論文の内容についてたくさん議論することができ、私自身も理解を深めることができました。執筆中の論文に反映させたいと思います。

2018年2月24日

School on String Field Theory and String Phenomenology

インドの Allahabad にある Harish-Chandra Research Institute での School on String Field Theory and String Phenomenology では、プラハにあるチェコ科学アカデミー物理学研究所の Ted Erler と私が弦の場の理論の分野の講義を担当し、Ted は "Analytic solutions in string field theory" というタイトルで、私は "Construction of superstring field theory" というタイトルで講義をしました。

講義の日程は事前には決めず、講義の進み具合に応じて決めるという方式でしたので、私自身も次にいつ講義をするのか当日になるまで分からないということもありました。私は6時間分の講義を担当するということになっていたので90分の講義を4回担当しましたが、Ted は彼自身が想定していたよりもはるかに時間がかかり、結局、90分の講義を11回も担当していました。実は予定していた講師が来られなくなったという事情があって時間はそれほど気にする必要がなかったため、急ぐことなく講義をすることができましたし、質問に対してもじっくり議論することができました。当初は2月5日から9日までの5日間の予定が10日にも Ted が3回講義をして休日がなくなってしまいましたが、私も Ted の講義の内容についてじっくり考えることができて良かったと思います。参加者とは朝食も昼食も夕食も同じ場所で食べ、tea break の時間も十分にあり、たくさん話す機会ありました。

2018年2月5日

インドの Harish-Chandra Research Institute での滞在

インドの Allahabad にある Harish-Chandra Research Institute に昨日到着しました。今日から始まる School on String Field Theory and String Phenomenology で "Construction of superstring field theory" というタイトルで講義をし、そのあとに開催される Discussion Meeting on String Field Theory and String Phenomenology では "Closed string field theory without the level-matching condition" というタイトルで修士課程2年の大学院生である坂口君と執筆中の論文の内容に関する talk をします。

私はインドに滞在するのは初めてで、昨日 Varanasi 空港から Harish-Chandra Research Institute まで車で約3時間かけて送って頂きましたが、車の窓から見たインドの様子は私がこれまでに行ったどんな場所とも違っていて、いろいろなことを考えていました。途中、運転手の方とふたりでお茶を飲んで休憩しようということになり、中に何かが入っている揚げたパンのようなものを辛いソースを付けて食べましたが、とてもおいしかったです。お茶はミルクティーでしたが、スパイスか何かも入っているようで、こちらもとてもおいしかったです。

2018年1月16日

教授への昇任

本日、教授に昇任いたしました。これまで以上に研究・教育に尽力して行きたいと思います。

2018年1月1日

新年を迎えて

新年を迎えました。1年前には、今日、このように新年を迎えることになるとは夢にも思っていませんでした。昨年の1年間を振り返ってみて、最低限の研究・教育活動しかできなかった時期(積算してみるとかなり長い期間になるように思います)には、十分に状況を説明できない中でいろいろな方々にご迷惑をおかけしました。お詫びいたします。そして、実名を挙げることはできませんが、一番辛いときに親身になって支えて下さった方々に心から感謝しています。ありがとうございました。また、一番近くで支えてくれた家族の大切さをこれまで以上に実感した一年でした。

私が駒場でやりたいこと、やるべきことへの想いは全く変わっていません。これまでの道筋とは違う方向に進んで行くように見えるかもしれませんが、目指すゴールは変わっていません。近いうちにこの場で具体的なことをお伝えできると思います。