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2025年1月1日
新年を迎えて

新年を迎えました。超弦理論の非摂動的な定式化を目指して研究をしていますが、5年ほど前から研究の方向性が明確になってきていて、昨年はさらに具体化が進みました。ゲージ理論の相関関数の 1/N 展開から閉じた弦の理論を構成するにあたってこの論文のような研究を開いた超弦の場の理論に拡張することを目指し、そのための道具として homotopy algebra, factorization algebra, von Neumann algebra を融合した新たな量子論へのアプローチを発展させて行きたいと思います。

ホームページのニュースの更新を継続して行くために必要なホームページの改良に手を付けられないまま昨年が終わってしまいましたが、今年は何とかホームページの整備も進めて行きたいと思っております。
2024年3月12日
素粒子論の分野の助教の公募を開始しました

私が所属する東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系では素粒子論の分野の助教の公募を開始しました。公募要項はこちらで、締切は4月15日(月)です。駒場キャンパスでの素粒子論の研究を発展させて行こうという意欲をお持ちの方々からの積極的な応募をお待ちしております。
2024年3月11日
ホームページ再始動

サーバーを移行し、ホームページを再始動しました。使えなくなった機能もありますが、今後は今までとは違う方向にホームページを発展させて行きたいと考えています。このニュースの欄も新たに書き始めることになりました。まずは長年更新していなかった駒場近所のオススメのページを更新しましたので、ご覧下さい。

物理学の大学院への進学を考えているみなさまへ

東京大学の駒場キャンパスで物理学の研究をしている私たちは、大学院総合文化研究科の広域科学専攻に所属し、私はその中の相関基礎科学系のメンバーです。駒場キャンパスには理系から文系まで、あらゆる分野をカバーする教員がそろっていて、最先端の研究を行っている特色のある研究室がたくさんあります。駒場素粒子論研究室は、素粒子論の中でも特に超弦理論を重点的に研究してきた、伝統のある研究室です。

物理学というと色あせた分野のように思われるかもしれませんが、超弦理論は、場の量子論の研究と表裏一体となり、様々な物理現象と関連し、次々と驚くべき側面を見せる、ため息が出るような魅力的な理論です。日々の研究は小さな問題を解くことの積み重ねですが、世界中の誰も解いたことのない問題を解くということは、研究の醍醐味です。未完成な超弦理論の真の姿を明らかにするべく、世界中で大勢の研究者が精力的に研究を進めています。

これからどのような分野に進むかを考えているみなさんは、いろいろなことが気になっていることと思います。しかし、本当にやりたいこと、本当に好きなことでなければ、研究を続けて行くことは難しいと思います。真剣に、自分に正直に、じっくり考えて下さい。その上で、みなさんの青春時代の長い時間を過ごす大学院の研究室を選ぶわけですから、研究室の雰囲気、キャンパスやその周辺の環境なども大切な要素だと思います。ぜひ研究室訪問にいらして下さい。

私自身も駒場素粒子論研究室の出身で、その後、米国カリフォルニア工科大学 (Caltech) で3年間、米国マサチューセッツ工科大学 (MIT) で3年間、ドイツの Hamburg にある DESY という研究所で1年間を過ごし、地球を一周して駒場に戻ってきました。素粒子論に魅力を感じ、世界を舞台に活躍したいという意欲に溢れるみなさん、ぜひ駒場素粒子論研究室で一緒に研究をしましょう!